フトアゴヒゲトカゲを飼いたいけど、何を食べさせればいいのか分からない…そんな悩みを持つ初心者の方は多いはずです。
実は、フトアゴヒゲトカゲの餌選びは少しコツが必要です。何でも与えればいいわけではなく、成長段階によって与えるべき餌の種類や量が大きく変わります。間違った餌の与え方をしてしまうと、栄養不足や肥満、最悪の場合は病気につながることもあります。
この記事では、フトアゴヒゲトカゲの飼育が完全に初めての方に向けて、おすすめの餌の種類・与え方・頻度・量を分かりやすく解説します。初心者がやりがちな失敗例もまとめているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
フトアゴヒゲトカゲは何を食べる?
フトアゴヒゲトカゲは雑食性のトカゲです。野生では昆虫や小動物、植物・野菜など様々なものを食べています。
飼育下でも同様に、動物性の餌(昆虫類)と植物性の餌(野菜・葉物)をバランスよく与えることが健康維持の基本です。
ポイントは「幼体期は動物性多め、成体になるにつれて植物性多め」という点。これが初心者がもっとも見落としやすい基本知識です。
フトアゴヒゲトカゲのおすすめの餌
昆虫系(動物性たんぱく質)
① コオロギ(もっともおすすめ)
初心者に最もおすすめの餌がコオロギです。栄養価が高く、フトアゴヒゲトカゲの食いつきも抜群です。
- フタホシコオロギ:肉付きがよくカロリー高め。幼体期に適している
- ヨーロッパイエコオロギ:臭いが少なく扱いやすい。初心者向き
生きたコオロギは爬虫類ショップやネット通販で購入できます。冷凍・乾燥タイプも流通していますが、生き餌の方が食いつきが良い傾向があります。
② デュビア(コックローチの一種)
コオロギと並んで人気の高い昆虫餌です。コオロギよりも臭いが少なく、脱走しにくいという特徴があります。栄養価も高く、長期飼育に向いています。
慣れてきたらコオロギとデュビアを組み合わせて与えるのもおすすめです。
③ ミルワーム(おやつ程度に)
フトアゴに大人気の餌ですが、脂質が高いため与えすぎに注意。主食にするのは避け、おやつ感覚で少量だけ与えるようにしましょう。
野菜・葉物系(植物性)
昆虫だけでは栄養が偏るため、野菜も積極的に与えましょう。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 小松菜 | カルシウムが豊富。フトアゴに最もおすすめ |
| チンゲン菜 | 食いつきがよく栄養バランスも良好 |
| 豆苗 | 入手しやすく柔らかいので幼体にも向く |
| カボチャ | ビタミンA豊富。食欲増進にも効果的 |
| ニンジン(すりおろし) | 少量なら問題なし。おやつ感覚で |
野菜はよく洗ってから、食べやすいサイズに細かく刻んで与えましょう。
人工フード(補助餌として)
最近では爬虫類専用の人工フードも販売されています。旅行中や昆虫の調達が難しい時の補助として利用する分には問題ありません。ただし、人工フードだけでの飼育はおすすめしません。生き餌や野菜と組み合わせるのが理想です。
フトアゴヒゲトカゲに与えてはいけない食べ物
以下の食材は中毒や消化不良を引き起こす危険があります。絶対に与えないでください。
- ほうれん草:シュウ酸が多くカルシウムの吸収を阻害する
- アボカド:全爬虫類に有毒
- ネギ・玉ねぎ・ニンニク:消化器系に悪影響
- レタス:栄養価がほぼなく、水分過多で下痢の原因に
- 野生で捕まえた昆虫:農薬・寄生虫のリスクがある
- 人間の食べ物(調味料がついたもの):塩分・脂質が過剰で危険
フトアゴヒゲトカゲの餌の頻度と量の目安
フトアゴヒゲトカゲの餌は、幼体・亜成体・成体の3段階で考えるのが基本です。
幼体期(0〜6ヶ月)|昆虫メイン、1日2〜3回
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 昆虫の割合 | 70〜80% |
| 野菜の割合 | 20〜30% |
| 与える頻度 | 1日2〜3回 |
| 1回の量 | 10〜15分で食べ切れる量 |
| 昆虫のサイズ | 頭の幅の1/3以下のもの |
幼体期はとにかく成長のためにたんぱく質が必要な時期です。食べる量が多いのでコストもかかりますが、この時期の栄養が将来の健康を左右します。
亜成体期(6ヶ月〜1年)|昆虫と野菜を半々に
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 昆虫の割合 | 50% |
| 野菜の割合 | 50% |
| 与える頻度 | 1日1〜2回 |
| 1回の量 | 15〜20分で食べ切れる量 |
幼体から成体へ移行する時期です。徐々に野菜の割合を増やしていきましょう。急に切り替えると食欲が落ちることがあるので、少しずつ割合を変えていくのがポイントです。
成体期(1年以降)|野菜メイン、昆虫は週2〜3回
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 昆虫の割合 | 20〜30% |
| 野菜の割合 | 70〜80% |
| 与える頻度 | 1日1回(野菜)+週2〜3回(昆虫) |
| 1回の量 | 20〜30分で食べ切れる量 |
成体になると昆虫の割合を大幅に減らします。昆虫ばかり与え続けると肥満や痛風のリスクが高まるので注意してください。
フトアゴヒゲトカゲの餌の与え方と注意点
カルシウムサプリの「ダスティング」を忘れずに
どんなに良い餌を与えても、カルシウムが不足するとクル病(骨の病気)になってしまいます。フトアゴヒゲトカゲの飼育でカルシウムサプリの「ダスティング」は必須です。
ダスティングのやり方:
- 爬虫類用のカルシウムパウダーを用意する(ビタミンD3入りがおすすめ)
- 昆虫をビニール袋やカップに入れる
- カルシウムパウダーを少量振り入れ、昆虫にまぶす
- 粉がついた状態でフトアゴに与える
目安として、幼体は毎回・亜成体は週4〜5回・成体は週2〜3回のダスティングが推奨されています。
フトアゴヒゲトカゲの水分補給について
フトアゴヒゲトカゲは砂漠出身のため、あまり積極的に水を飲まない個体も多いです。水入れを用意しても無視する子も珍しくありません。
水分補給の主な方法は以下の通りです。
- 野菜から摂取:チンゲン菜・豆苗など水分を含む野菜を積極的に与える
- 人工飼料をふやかす:ドライタイプの人工フードを少量の水でふやかして与える
- 霧吹き:ケージ内や体に軽く霧吹きして舐めさせる
- ぬるま湯浴(温浴):週1〜2回、ぬるま湯に浸けることで皮膚から水分を補給させる
フトアゴヒゲトカゲで初心者がやりがちな餌の失敗
❌ 失敗1:昆虫だけで育てようとする
「野菜を食べてくれないから昆虫だけでいいや…」は完全なNGです。昆虫だけではビタミン・ミネラルが著しく不足し、病気の原因になります。食べなくても毎回野菜を用意して慣れさせることが大切です。
❌ 失敗2:大きすぎる昆虫を与える
昆虫のサイズは必ずフトアゴの頭の幅の1/3以下を守ってください。大きすぎると腸閉塞になり、最悪の場合は命に関わります。
❌ 失敗3:食いつきがいいからと与えすぎて肥満にさせてしまった(実体験)
これは、正直に言うと私自身がやってしまった失敗です。
うちのフトアゴは本当に食欲旺盛で、コオロギを差し出すと飛びついてくるほどよく食べてくれていました。「たくさん食べてくれる=元気な証拠」と思い込んでいた私は、ついつい「もう少しだけ…」と追加で与えてしまう日々が続いていました。
しかし数ヶ月後、動物病院での定期健診で獣医師から一言。「少し太りすぎですね」と言われてしまいました。よく見ると確かに、お腹まわりがぽっちゃりして脚の動きも以前より鈍くなっていたんです。
フトアゴヒゲトカゲは本能的に食べられるだけ食べようとする習性があります。つまり、「まだ食べたそうにしている」は「もっと与えていい」サインではないのです。与える量は必ず時間で区切るか、回数で管理するようにしましょう。
❌ 失敗4:成体になっても昆虫を毎日大量に与える
幼体の時と同じペースで昆虫を与え続けると、タンパク質過多で痛風や腎臓病のリスクが上がります。成体になったら野菜メインに切り替えましょう。
❌ 失敗5:カルシウムサプリを使わない
「餌を与えているから大丈夫」は間違いです。昆虫はリンが多くカルシウムが少ないため、サプリで補わないとクル病になります。
❌ 失敗6:野生の昆虫を捕まえて与える
庭や公園で捕まえた昆虫には、農薬や寄生虫が付着している可能性があります。餌用の昆虫は必ずショップや通販で購入したものを使いましょう。
まとめ
フトアゴヒゲトカゲの餌は「何を与えるか」だけでなく、「どれくらい与えるか」がとても重要です。食欲旺盛な分、与えすぎによる肥満には特に注意しながら、バランスよく管理していきましょう。
- 主食は昆虫(コオロギ・デュビアなど)と野菜(小松菜・チンゲン菜など)
- 成長段階によって昆虫と野菜の割合を変える(幼体は昆虫多め→成体は野菜多め)
- カルシウムサプリのダスティングを必ず行う
- 水分補給は野菜・ふやかし・温浴を組み合わせて管理する
- 与えてはいけない食材(ほうれん草・アボカドなど)に注意
- 食いつきがよくても与えすぎはNG。体型を見ながら量を調整する
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえば毎日の餌やりはとても楽しい時間になります。この記事を参考に、フトアゴヒゲトカゲとの生活をぜひ楽しんでください。

爬虫類飼育歴2年。現在はフトアゴヒゲトカゲ、エジプトトゲオアガマ、アオジタトカゲ、クレステッドゲッコーの4種を飼育しています。
ペンネームの「トゲ丸」はエジプトトゲオアガマの愛称から。日本ではまだ飼育情報が少ない種を含め、日々試行錯誤しながら向き合っています。
飼育中はもちろん失敗もあって、冬に温度管理を油断したらトゲ丸が1〜2ヶ月シェルターからまったく出てこなくなった!なんてこともありました。原因を調べてライト環境を見直したところ、3月からは別個体のように元気になり今では4頭の中で一番の食いしん坊に。
そんな経験も含め、同じ失敗をしてほしくないという思いで情報を発信しています。


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